00410/00807 BYI02361 K.WINGS 【スポーツ栄養学】はじめに (12) 97/10/23 01:39 コメント数:3 皆さん、こんにちは。K.WINGSです。 今回から数回に分けて基本的なスポーツと栄養の関係と少年サッカーにおける栄養 の取り方について連載したいと思います。 ベースは今発売されております、「栄養と料理」11月号(女子栄養大学出版部 発行660円)に特集されました、「親子で学ぶスポーツ栄養学」の中から、北里 研究所病院スポーツドクター(内科)である辻秀一先生が書かれました「スポーツをする 人の栄養学」および「Q&A」です。 なお、この連載は辻秀一先生に許可を頂き、「栄養と料理」に特集された記事の 一部引用を含めた形で進めさせて頂きます。本文をご覧になりたい方は「栄養と 料理」の11月号を購読願います。(この本は絶対「お薦め」です(^^)v) Niftyへの一部引用および内容の紹介を快くお受け下さった辻先生に心よりお礼申 し上げますm(_ _)m。 p.s.なお、辻先生は上記病院で女性や子供のスポーツコンディションの指導や骨 粗鬆症の予防・治療を行っており「平日午後でしたら、いつでも気軽に電話して 下さい(^^)」と、とても気さく答えてくれました。電話番号も紹介して良いです よ、とは言われたのですが、さすがそこまでは・・・(^^;;; 「栄養と料理」に掲載されております「子供の心と身体とスポーツ」というイン タビュー記事も、辻先生が答えられたもので、この会議室にそのまま「転載」し たいような内容となっております(^^;。 是非、ご一読の程を(^^;。 K.WINGS(BYI02361) 00411/00807 BYI02361 K.WINGS 【スポーツ栄養学】勝つための3要素 (12) 97/10/23 19:28 00410へのコメント 皆さん、こんにちは。K.WINGSです。 スポーツをする人にとって最も大切な3つの要素、といえば皆さん、何を考え られますか?辻先生は以下のように述べております。 |スポーツ選手が勝つために必要な基本3要素といえばトレーニング・栄養・ |休養です。(中略)正しいトレーニングが競技力を向上させるために最も大 |切な要素であることには代わりはありません。しかし、トレーニングの効果 |は栄養によって生かされたり、またダメになってしまったりすることを知っ |ている人は以外に少ないかもしれません。特に成長期の子供であればなおさ |らのことです。(後略) ・・・我々指導者は、「3つの要素」などと言われるとすぐ「ボールコントロ ール・ブレーン・ボディーバランス(いわゆる3Bですね(^^;)」とかを考え てしまうのですが(笑)、実はもっと以前に考えておかなければならない、基 本要件がある、という事なのです。 それが「栄養」と「休養」なのです。言われてみれば確かにその通りなのです が、じゃあ、どうしたら良いの?というのは確かに知らない(というより勉強 する場が少ない)部分が多いですね。 今時「体力・スタミナを付けるためにステーキを試合直前に食べる」・・・な んて馬鹿な事をする人はいないと思うのですが(笑)それがどうしてそうなの か?また、怪我をしやすい子供はどうしてそうなるのか?試合後半でのスタミ ナ切れはどうして起こるのか?試合前や試合と試合の間、試合の後等にどのよ うなものを食べさせれば(あるいは飲ませれば)良いのか?・・・等々をこれ から考えて見たいと思います。 K.WINGS(BYI02361) 00412/00807 BYI02361 K.WINGS 【スポーツ栄養学】なぜ「食べる」のか? (12) 97/10/23 19:28 00410へのコメント 皆さん、こんにちは。K.WINGSです。 私たちは「なぜ食べる」のでしょうか?スポーツにおける「栄養」の役割を知る にはまずその疑問に答えるべきなのでしょう。 辻先生はこの疑問にこのように回答しております。 |人間の身体は約60兆個の細胞からできています。ところが生まれたときから |同じ細胞と一生つき合っていくのではなく、身体中のすべての細胞は髪の毛や |爪と同じように入れかわっていくのです。すなわち、私たちの細胞はこわれて |は分解され、生体反応によって新たな細胞にかわっていくということなのです。 |このことを新陳代謝と呼んでいます。(中略)総平均するとだいたい半年程度 |で私たちの身体の細胞は入れかわっていることになるのです。 | そこで、新陳代謝により日々こわれていく細胞が新たな細胞にしっかりと修 |復されていけるようにその細胞の材料を与える役割が「食」すなわち栄養素の |摂取なのです。半年くらいで私たちの身体の細胞は入れかわるので、じつは現 |在こうして健康でいられることもこの半年間にどのように栄養素の補給がなさ |れて、こわれた細胞にかわる新細胞が作られてきたかによるといっても過言で |はありません。 | すなわち、半年ほど前からの食生活が今の健康を決定しているのです。夏か |らの食事が悪いとそれがのちのち冬になって風邪を引きやすくなるということ |はその一例です。 ・・・・うーーーん。確かに大昔に勉強したことがあった、ような気がする(^^; 「新陳代謝」という言葉も勿論知ってはいたのですが、「細胞が入れ替わる」と いう事は「新しい細胞を作る→作るための栄養素が必要→それの取り方により身 体の健康状態が違ってくる」という発想(知識?)までには至っていませんでし た。 で、この「新陳代謝」について辻先生の話は続きます。 | 一方、運動・スポーツをするということは新陳代謝を早めることを意味しま |す。一時的には新陳代謝が早くなるとよいことばかりのように考えられていま |すがよくない面もあるのです。新陳代謝が早くなる、つまりスポーツをすると |いうことは、より早く細胞を分解してしまうきっかけになるのです。スポーツ |マンはより多くの栄養素を補っていかないとかえって身体がいたんでしまうこ |とにもなるのです。しかも、その変化は急に起こるのではなく数ヶ月後になっ |て徐々にダメージとして現れることになります。(中略) | 私たち、特にスポーツをする人が食べるのはなぜかといえば、まず第一に「 |おなかがすいたからエネルギーを補給するために食べる」のです。このことは |大切ですが、しかしここで忘れてはならないのは今まで述べてきたように「身 |体を作るために食べる」ということなのです。このことをおろそかにすれば数 |ヶ月後の身体はこわれた細胞組織の修復がまにあわずトレーニングでの効果以 |上にむしろ身体をいためてしまうでしょう。 かなり引用が長くなりましたが、これは非常に重要だと思います。特に子供達は 「新陳代謝」が激しいのですから、それを「当たり前だ」とか「良いことだ」と しか考えられないと、取り返しのつかないことにもなりかねません。 「なぜ食べるのか?」→「腹が減ったから!(=エネルギー補充)」だけではな いのですよね。特に子供達においては「身体を作るために食べる」という、言わ れてみれば当たり前のような事をもっと真剣に指導者も親も考える必要があるの だと思います。 K.WINGS(BYI02361) 00413/00807 BYI02361 K.WINGS 【スポーツ栄養学】「食」の3つの役割 (12) 97/10/23 19:28 00410へのコメント コメント数:3 皆さん、こんにちは。K.WINGSです。 と、言うことで、「食べる」という行為には「エネルギー補給」だけではなく 「身体を作る」という、(子供時代だけには限らないのですが)重要な役割が ある事がおわかり頂けたかと思います。 実は、この役割の他にもう一つ、重要な役割が「食べる」ことにはありまして、 こういった「エネルギー補給」や「身体を作る」という働きを「円滑に動かす ための栄養素を与える」役割が最後の3つ目として登場します。 ・・・このあたりの話は多少でも栄養学を学んだ人には「何をいまさら・・・ (笑)」というレベルの話なのですが、復習(^^;、という事でお付き合い願い ます。 【食の3つの役割】 1.エネルギーの補給(炭水化物) 2.身体を作る(タンパク質) 3.エネルギーの発生と新体形成維持の円滑化(ビタミン・ミネラル) まとめるとこうなるのですが(^^;、以後、それぞれについてもう少し細かく見 てみることにしましょう。 K.WINGS(BYI02361) 00414/00807 BYI02361 K.WINGS 【スポーツ栄養学】エネルギーの補給 (12) 97/10/24 07:45 00413へのコメント 皆さん、こんにちは。K.WINGSです。 エネルギーの補給について辻先生はこのように述べております。 |「エネルギーの補給」を担う栄養素は炭水化物と脂肪です。車でいえばガソ |リンです。酸素1Lで炭水化物は5kcal、脂肪は4.7kcalのエネルギーを産生 |できます。よって酸素を利用して動いているスポーツでは炭水化物のほうが |効率よく多くのエネルギーを出すことができます。 「カーボ・ローディング」という言葉を皆さんご存じでしょうか?。最近TV でも特集されていたりしましたからご存じの方も多いと思いますが、「カーボ (カーボハイドレート=炭水化物)」を「ロード(そそぎ込む・積み込む)」 ことによりエネルギーの源である筋肉中のグリコーゲンを増やす、最近の競技 スポーツの世界では常識とされているコンディショニングの手法なのですが、 これのポイントが「カーボ(炭水化物=ごはん(^^;)」なのです。 「カーボ・ローディング」自体については項を改めますが、この「エネルギー 補給(=炭水化物の取得)」を怠るとどうなるのでしょうか? ・・・これはもうはっきりしております(^^;。試合の後半あたりで子供達の動 きがぱったり止まってしまい、まるで動けなくなるのです(^◇^;)。精神力や気 力の問題ではなくて、「身体」が言うことを利かなくなってしまうのです。 指導者や親が「がんばれぇーーー!」と絶叫応援しようが「根性だせぇーー!」 と気合いを入れようが、「身体を動かすエネルギー」が無くなってしまうので すから動けるはずがありません(^◇^;) ・・・そんな「絶叫応援(^^;」をする位なら、しっかり「朝御飯(=炭水化物) 」を食べさせれば良いのです。そのほうがよっぽど効果的なのです(笑) 試合場所が遠方で、開始時間が早い時(例えば、試合会場まで移動が2時間以 上かかり、試合開始が9:00(^^;とかいう場合ですね)、試合開始の1時間 前には会場に着いていたいので、多分集合時間は5:30(!)とかになりま すよね。こういった時、親の立場としてはしっかり朝御飯を食べさせるには4 時に起きて準備したりしなければなりません。・・・これは辛い(^◇^;)。 で、コンビニのおにぎりやパンを前日に買っておいて、子供達に持たせたりし ているのが現状かと思います。(中には「朝食抜き(^^;」という家庭もあるか もしれませんね) ・・・コンビニの弁当が悪いと言っている訳ではないのですが、運動の前にし っかり「エネルギーを補給(炭水化物の取得)」をしておかなければ「身体」 は動かないのです。どういったものをどれだけ取得するか、についての詳細は 別発言に譲りますが、総論として辻先生はこのように述べています。 |スポーツマンにとって1日に必要なエネルギーの半分はごはんやパンなどの |炭水化物で供給することが望ましいのです。中くらいの茶碗1/2杯、食パ |ン8枚切り1枚、うどん1/3玉が各およそ100kcalです。ということは |一般に1日2000kcalを必要とする人ならその半分の1000kcalをすべ |てごはんで摂取する場合、中くらいの茶碗で5杯は必要になります。激しい |運動をするスポーツ選手や育ち盛りの男の子であれば、4000kcal近く必 |要としますから1日に丼で5杯はごはんで取る必要があるということになり |ます。(後略) ・・・ちなみに10歳の男の子の1日の平均エネルギー所要量は2050kcal で12歳の男の子の場合でしたら2350kcalです。(女の子の場合はそこか ら100kcalを引けば平均的な所要量になります) そして、「サッカー」を1時間した時に消費されるエネルギーは 体重30kg以下の男の子で170〜250kcal 体重40kg以下の男の子で260〜340kcalです。 K.WINGS(BYI02361) 00417/00807 BYI02361 K.WINGS 【スポーツ栄養学】エネルギーの補給(2) (12) 97/10/29 21:58 00413へのコメント 皆さん、こんにちは。K.WINGSです。 体重30kgの子供が1時間サッカーをした日に消費するカロリーは約2600 kcalとなるのですが、子供の場合、その半分は穀物からカロリーを摂取するの が良いとされております。 つまり、ごはんでしたら茶碗6杯、うどんだったら4玉、パンだったら1斤半 を取らなければならない事を意味します(^^;。 まぁ、これは「1日」の総取得量ですから、3度の食事でそれぞれ分けて取れ れば問題はないはずですよね。(ごはんだけで考えれば、朝2杯、昼おにぎり 2個、夜2杯で済む訳ですから)・・・逆に、もし、「朝食」を抜きにするよ うな事があると、残りのカロリーを2食で取得しなければならず、これは結構 辛い話になります。3度の食事をきちんと取るという事がいかに大切であるか の一つの例です(もっと他にもその必要性については理由があるのですが(^^;) 話を戻します(^^ゞ。 体重30kgの男の子が1時間サッカーをした時に170〜250kcalのカロリ ーを消費する(ごはん、茶碗に1杯ですね)のは判りましたが、では「ごはん」 をどのように食べさせれば良いのでしょうか? ・・・結論から言うと「身体を動かす3時間前にゆっくりと食べさせる」なの ですが、これが何故そうなのかはを指導者(または親)は理解しておく必要が ります。 K.WINGS(BYI02361)